2009年11月22日

受動喫煙防止条例

北大図書館で目にした雑誌、ある記事に目が釘付けになりました。

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フォーブス日本版:今号で休刊。多分パワフルウーマンのタイトルに目が惹かれたのだと思うけど・・・あんまり手にしたことのない雑誌だった。

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私が釘付けになったのはこの人です。松沢成文神奈川県知事。
神奈川県では全国自治体で初めて、今年3月『受動喫煙防止条例』が成立し来年4月から施行。新聞・ニュースで大々的に報じられ大反響をとあるものの、私はまったく知りませんでした。さっそく周りの友人数名にリサーチしましたが誰も知らなかった。

松下政経塾出身→ワシントンで下院議員のスタッフ修行→神奈川県議2期→衆議院議員(民主党)2期→神奈川県知事2期目で著書も多数。2007年の2期目のマニュフェストで『公共的施設における禁煙条例』の制定を公約。どのようなプロセスを経て実現に至ったのかの記録が知事がまとめた本を早速買いました。この知事にも条例にも興味深々な“ちぃさま”です。

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『受動喫煙から県民の健康を守るため』、人が集まる公共的施設(官庁のみならずレストラン・バーも含む)での禁煙を理念を掲げたものの、反対が根強く後退した内容での条例にはなったけど、世界の取り組みと日本の違い、タバコ社会の現状・法の枠組み等々大変興味深いものでした。以下本書から抜粋(一部は神奈川県ホームページ)

【条例制定の背景として】
・たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれ、ガン・心臓疾患・胎児・乳幼児への影響、受動喫煙の健康への悪影響は研究結果で明らかにされており議論の余地はない。

・2003年WHO総会で『たばこ規制枠組み条約』が採択され日本も2004年に署名した。160か国が批准。この条約ではタバコの煙からの保護について各国に処置を講じるよう求めている。

・なんと我が国は2010年2月までに、『屋内の公共の場を完全禁煙を実現するための法的処置を講じなければならない』。そんな条約自体を知らなかったし、鼻からご飯が飛び出すほどびっくりしました。

・世界各国において受動喫煙防止対策が進められており、例えばEU27か国のうち15か国、アメリカ合衆国の多くの州、また、香港、シンガポール、韓国、タイなどのアジア各国でも、公共の場における禁煙の措置が法制化されている。フランスのカフェのアイルランドのパブも禁煙。

【日本の現状】
・2003年に『健康増進法』が施行されて、確かに禁煙スペースは増えたが、受動喫煙防止処置が努力義務のため進んでいないのが現状。神奈川県の調査でも飲食店の60.3%が対策をしておらず、その内の71.9%が今後も予定無しの回答。

・国民の健康を所管する厚生労働省とたばこ税を所管する財務省の利害が対立し打開の糸口を見出すことができない。

・JTは専売公社から民営になったと言っても財務大臣が筆頭株主であり、「たばこ事業法」「JT法」「たばこ耕作組合法」の3点セットで、たばこ産業の健全な発展をはかり財政収入の安定確保が保護されている。

・タバコの価格が諸外国より格段に安い、自動販売機も多く買いやすい。

【困難】
条例制定の一番の目的は『受動喫煙による健康被害を防止する』であり、喫煙行為を禁じる条例ではないが、「行政が個人の嗜好を制約するファシズム」「喫煙権の侵害」「喫煙者の追放か!」「法規制はなじまない、各人のマナーの問題」等々、飲食店・宿泊施設・パチンコ業界からは「売上が減る」「分煙は無理」と猛反対。

県民への条例に関するネットアンケートでは賛成9:反対1だったが、ある日を境に反対票が急増し、最終的には「反対」が「賛成」を上回ってしまった。なんと翌日の新聞には【禁煙アンケート JTが組織票】の見出し載った。社員を動員し県民ネットアンケートに登録し反対票を投じるよう会社ぐるみの工作、しかも会社のパソコンを使わないで回答する念の入れよう。

前途は多難の様子・・・その2に続く。

posted by ちぃさま at 02:04| Comment(4) | TrackBack(0) | BOOK | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
受動喫煙防止条例の現実は、無いよりはまし、最初の小さな一歩という程度ものである。
喫煙が体や社会に悪いと言うなら、税収は無くなるが、たばこの販売及び喫煙を大麻や覚せい剤などと同じく法令で禁止すべきである。
峰崎直樹財務副大臣が「たばこは健康に良くないという観点」で増税するといっているのは、ばら撒き財源確保のための詭弁である。
喫煙の健康被害などが明らかとなった現在においては、課税の対象から禁止の対象に変えるべきである。
健康保険料などの負担が減る。吸殻のポイ捨てによる道路などの不快な汚れもなくなる。
たばこ税を上げても効果は限られるが、喫煙者を減らすには、税額は欧州より高い1箱千円以上が妥当。
税収= 税額 X 販売個数。値段が1箱800〜1000円以上になるまでは税収は増える。
国が半数を保有するJT株式を売却して埋蔵金を確保しつつ、JTを完全民営化すべき 。
日本共産党の市田忠義は、喫煙権もある、と言ったとか。そのうち、大麻権や覚せい剤権があると言い出すのだろうか。
Posted by たばこを禁止せよ at 2009年11月22日 10:39
>たばこを禁止せよ様
コメントありがとうございます。喫煙王国北海道においては、非喫煙者は大変な我慢を強いられています。
入れる飲食店も限られ、今日もカフェ難民になりました。
Posted by “ちぃさま” at 2009年11月22日 21:48
「分煙」を徹底すべきだと思います。喫煙者の人権も尊重する必要はあるわけで・・・。

分煙化に補助金(タバコ税から捻出)するのが良いとおもうけど、縦割り行政の弊害はここにもあるんですねぇ。
Posted by じゅん at 2009年11月22日 21:59
>じゅんさん
壁や仕切りはなくても席だけでも分けてくれたら、「いつ隣の人が吸うかも・・・」
の恐怖からは少なくても解放されますからね。分煙化も大事でしょうけど、
子供へ喫煙の害を教える教育も大事だと思うんですよ、今さらながらね。
Posted by “ちぃさま” at 2009年11月23日 10:27
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